借り入れたお金を、いかに早い段階で返済完結に辿りつくことができるかが、キャッシングにおいては重要です。
借り入れたお金は、適用金利によって支払うことになる利息が決まります。利息を支払わないことには借り入れた元金を減らすことができませんから、しっかりとこの利息と元金を同時に支払っていくことになります。この支払う利息の金額は借り入れたお金が安ければ安いほど適用される金利が上がり支払う利息が高くなります。
しかし、消費者金融や銀行でのキャッシングは、実質年率で金利を表示するため、金利を単純に借入額へと掛けたところで、正しい利息は計算できません。
そこで、今回はキャッシング返済と利息計算のポイントを合わせて紹介していきます。2つの情報をしっかり理解した上で、賢くキャッシングを利用していきましょう!
返済シミュレーションをフル活用しよう
キャッシングの返済は初めにその仕組みを知っておくことが肝心ですが、返済のイメージがわかないときは、銀行や消費者金融のホームページにある返済シミュレーションを活用すると良いです。
申込を検討しているキャッシングのホームページで金利一覧表を見ながら、借りたい金額と、その金額に適用される金利を入力しましょう。
すると、毎月の返済額や利息を見ることができるので、「どれくらいのペースで元金を返済できているのか」、「毎月の返済のいくらが利息になってしまっているのか」がわかります。実際に借りている気持ちで考えることができるので、おすすめです。
返済シミュレーションは使い方が簡単!利息も計算できます
1月あたりの返済・利息を計算するのはそこまで難しくないですが、毎月となると面倒ですし、ミスも発生します。
しかし、アコムやアイフルなどが提供している返済シミュレーションを用いれば、「借入希望金額」「返済期間」「金利」の3つを入力するだけで、簡単に毎月の返済額がわかります。さらに、その内訳である「元金」と「利息」が、どれくらいのペースで減っているのかもわかります。一覧表で出るので、自分で計算するよりも断然わかりやすいです。
試しに、アコムの返済シミュレーションを使った表が下記になります。10万円を金利18.0%で、12か月借りた時のシミュレーションです。見ればわかる通り、最初のうちは返済額の利息が多いですが、返済が進むにつれ元金の割合が多くなっていくようになっています。
回数 | 決済金額 | 元金 | 利息 | 残高 |
1 | 9,167 | 7,688 | 1,479 | 92,312 |
2 | 9,167 | 7,802 | 1,365 | 84,510 |
3 | 9,167 | 7,917 | 1,250 | 76,593 |
4 | 9,167 | 8,034 | 1,133 | 68,559 |
5 | 9,167 | 8,153 | 1,014 | 60,406 |
6 | 9,167 | 8,274 | 893 | 52,132 |
7 | 9,167 | 8,396 | 771 | 43,736 |
8 | 9,167 | 8,520 | 647 | 35,216 |
9 | 9,167 | 8,646 | 521 | 26,570 |
10 | 9,167 | 8,774 | 393 | 17,796 |
11 | 9,167 | 8,904 | 263 | 8,892 |
12 | 9,023 | 8,892 | 131 | 0 |
累計 | 109,860 | 100,000 | 9,860 | – |
キャッシングの利息とは?
次に、キャッシングの利息について説明していきます。キャッシングでお金を借りた場合、発生した利息を含めて返済する必要があります。利息を支払わなければキャッシング業者に一切メリットがないため、お金を借りた際には絶対に利息を支払わなければいけません。
利息は契約時に設定した金利に合わせて発生する金額が変動し、基本的には毎月の約定日に発生する仕組みとなっており、返済をしなければ借金はどんどん増えていきます。クレジットカードやカードローンでは、毎月の返済額を少なく済ませることが可能です。また、毎月発生する利息を優先的に支払うことで、少額返済でも借金が膨らんでいかないようにしているのです。
実質年率で金利表記する理由
キャッシング業者では、金利をすべて実質年率で表記することが義務付けられています。実質年率とは、返済を行わずに一年間借金を放置した際に、どれくらい利息が発生するのか示したもので、一番分かりやすいという理由から広まりました。
また、金利の表記を統一しなければ、月利や日利を用いて、見かけ上の数字を少なくする業者が現れます。特に悪徳業者では、日利で金利を安く見せて、正規の消費者金融よりも何倍も高い利息を強要することもあるため、利息を確認する際には、実質年率で表記されているか確認をしましょう。
無利息期間とは?
無利息期間とは、大手消費者金融がメインに取り扱っているサービスで、初めての利用者を対象に、一定期間利息が発生しないようにするというサービスです。無利息期間中に完済をすれば利息を支払わずに済むので大変お得です。
また、完済出来なかったとしても、利息を支払わなければ元金を一気に減らせるため、無利息期間のあるキャッシングでは利息を安く抑えられます。
キャッシングの利息計算方法
- 借入額×金利÷365日×借入期間=発生する利息
キャッシングの利息を計算する際には、実質年率で表記されている金利を利用して、一日あたりに発生する利息を計算します。一日あたりの利息を計算することで、借入期間でいくら発生したのか確認することが出来るのです。
たとえば、50万円を金利18.0%で借りた場合には、50万円×18.0%で一年間に発生する利息は9万円となります。続けて9万円を365日で割ることで、一日あたりに発生する利息を計算することができます。
- 50万円×18.0%÷365日=246.57533424….円
これに、経過した日数を掛けることで発生する利息を正確に把握できるのです。
利息シミュレーションを利用しよう!
利息の計算をしたいという方は、各業者の公式サイトにある利息シミュレーションがおすすめです。自分が希望する条件を記入することで、実際の返済時に発生する利息を計算してくれるため、借入前に返済プランを立てる際には非常に役立ちます。
利息を安く抑えるコツとは?
利息を安く抑えるには早めに完済するのが一番です。お金に困っている時には、約定返済で最低返済額を支払うしかないですが、余裕が生まれた際には、約定返済以外にも積極的に随時返済をしていきましょう。
元金を減らすことが出来れば、発生する利息も減らすことができ、約定返済でより多く元金を減らせることにも繋がります。随時返済は利息を抑える上で好循環を生みだしてくれるため、余裕がある時は積極的に支払を行いましょう。
利息の計算は簡単な数式で出来ますが、業者によっては返済額を千円ごとに設定するなど微妙な違いがあります。また、ひと月分の利息は安く見えるかもしれませんが、利息は毎月発生していくものなので、トータルではかなりの額になることをお忘れなく。
その他、キャッシングの審査について知りたい方は当サイトのこちらの記事をご覧ください。
(キャッシングの審査に落ちる人の特徴と対策!審査のカラクリ教えます!)
(キャッシングの審査基準を徹底解説!審査が不安な人は要チェック!)
借入限度額100万円未満のとき金利はみんな同じ
キャッシングでは、「実質年率〇%~□%」という金利の表示を良く見かけます。これは、金利が借入限度額によって変動するからなのですが、実際のところ、消費者金融から融資を受けている利用者のほとんどは上限金利でお金を借りています。
それはなぜかというと、金利の設定が利息制限法で下記の通り決まっているからです。
- 借入限度額が10万円未満の場合、上限金利は20.0%まで
- 借入限度額が10万円~100万円の場合、上限金利は18.0%まで
- 借入限度額が100万円以上の場合、上限金利は15.0%まで
金利18.0%で借りた時の利息の例
そのため、限度額が100万円をこえない限り、消費者金融の上限金利18.0%でキャッシングを利用することになります。ちなみに金利18.0%で、10万円、30万円、50万円を借りた場合の毎月の利息は下記のようになります。
- 10万円×18.0%÷365×30=1,479円
- 30万円×18.0%÷365×30=4,438円
- 50万円×18.0%÷365×30=7,397円
利息を払い過ぎないように返済方式には気をつけよう
上の表で紹介したのは、毎月均等に返済していく返済方式です。この他にもいくつか返済方式があり、カードローンで主流となっているのは「残高スライドリボルビング」という方式です。借入残高に応じて毎月の返済額が決められるというもので、毎月の負担が軽いというメリットがあります。
一方、返済が長引くリスクがあります。例えば、銀行カードローンでは「借入〇十万円以下なら月2,000円から返済可能!」といったものがあります。確かに返済は楽になりますが、その分だけ返済期間が長引きます。それによって返済回数が増え、結果として支払利息の合計額が上の表よりも多くなってしまうケースもあるのです。
人によっては、毎月の返済額が少なくても助かって嬉しい残高スライドリボルビング方式ですが、余分に利息を払ってしまうリスクがあります。キャッシングカードローンは期日よりも早めに返済することができるので、繰り上げ返済を活用して、早めの全額返済を目指しましょう。
キャッシングの返済をお得におこなうポイント4点をチェック!
特に初めてキャッシングを利用する方は、すすめられるままに返済方式を決めてしまうものです。
ただ、消費者金融や銀行がおすすめする方法をそのまま受け入れてしまうと、必要以上に返済負担が重くなったり、期間が伸びたりしてしまいます。
こうした事態を防ぐために注意すべきポイントを、下記4点に絞って説明していきます。
- 繰り上げ返済
- おまとめローン
- 債務整理の活用
- 過払い金チェック
「残高スライドリボルビング方式」の言いなりになるな!
キャッシングやカードローンには、いくつかの返済方式があります。その中でも現在主流となっているのが、残高スライドリボルビング方式です。(以下、スライドリボ方式)
スライドリボ方式の仕組みを簡単に説明すると、借入残高に応じて毎月の返済額が自動で決まるというものです。メリットとしては返済の負担がとても軽いという面がありますが、一方でデメリットとして、返済期間が延びてしまうという面があります。
返済期間が延びるとどうなってしまうのか。結論から言うと、当初の予定よりも返済額が多くなってしまいます。なぜならば、期間が延びて利息を払う回数が増えるからです。毎月の返済額が少ないということは、元金の減るペースが遅いということを意味しています。
そのため、いくら返済が楽だからといっても最低返済額で返し続けるのは、未来の自分の首を絞めることになってしまいます。そういうときは、繰り上げ返済を上手に使いましょう。
塵も積もれば山となる!繰り上げ返済をコツコツしよう
毎月の返済期日に関係なく、その日よりも前に返済することを「繰り上げ返済」と呼びます。借金の返済は、繰り上げ返済をどれくらいできるかによって、完済までのスピードに雲泥の差が出ると言っても過言ではありません。
これを意識せずに返済を続けていると、貸金業者の思うツボとなってしまいます。業者としては利息を払ってくれた方が収益が上がりますが、利用者としては長引く前に終わらせた方が得です。目先の返済を楽にするのではなく、将来の自分のことを考えて完済を第一に目指しましょう。
繰り上げ返済はいつでも行うことができます。しかし気をつけてほしいのは、返済日次第でその月の返済が、通常と繰り上げの2回になってしまうことがあります。繰り上げ返済が期日よりも早いとそうなりがちなので、どちらにせよ返す日にちには気をつけましょう。
消費者金融からの借り入れは複数の業者をまたぎがち
消費者金融からのキャッシングの利点はとても早く終わらせることができ、とても気軽であるということ。それだけお金の細かいピンチに細かいニーズに応えてくれる利便性があるがゆえ、借りすぎてしまうというリスクもひそんでいます。
例えば、プロミスに申し込んで審査で言い渡された限度額いっぱいまで借りたあとは、もっと別の業者から限度額いっぱい借り入れる。そんなことをしていては返済が大変になることは目に見えています。
そんな複数の業者をまたいでしまった借り入れを一つにまとめることができるのが「おまとめローン」です。ローンをまとめるための専用商品を用意している消費者金融がありますし、銀行などで借り入れたお金を使ってローンをまとめることだってできるでしょう。
とにかく利用している業者を減らすことが大切なのです。甘い考えで利用したカードローンは後になって返済で苦しんで精神的に苦しくなってくるでしょう。
おまとめローンで毎月の返済を1つに
借入先を1つにできるので、おまとめローンはいくつも借入がある方によって強い味方となります。ただメリットばかりではなく、デメリットも理解した上で申し込むようにしましょう。
もっと詳しく知りたい方は「読めばすぐわかる!今さら聞けない総量規制とおまとめローンについて」こちらのページも参考にしてくださいね。
おまとめローンのメリット
借入を1つにまとめることで得られる最大のメリットは、金利を下げることができる可能性があることです。それぞれの借入先ではそれほど多くなかった金額でも、1社に集めれば100万円をこえるケースも珍しくありません。
おまとめローンそのものも低金利ですが、借入を1社が借り換えるために限度額は上がります。限度額が上がれば金利は下がるので、コツコツ返済を続ける上では大きな助けとなります。
おまとめローンのデメリット
メリットと言っていることが反対になってしまうのですが、1つにまとめたからといって必ず金利が下がるわけではありません。おまとめローンの中には、普通のカードローンと同じ金利のものもあります。
それでも返済が楽になることは確かなのですが、毎月の返済額が減ってしまうと完済までの道のりも長くなってしまうという欠点があります。
また、おまとめローンの審査は通常よりも難しいです。金利が低い上に、限度額が高くなるので仕方のないことですが、全員が利用できるわけではないという点にも気をつけなければいけません。
債務整理を活用して返済を変える
自分だけではどうにもならないとき、弁護士の力を借りて返済を変えられるのが債務整理です。適用金利が引き下がるもの。これから返済するお金そのものを減らすことができるもの。そして自己破産を行えばあなたが抱えている借金は免除され返済の必要がなくなります。
しかしその代償も大きく、自己破産によって持っている資産のほとんどが差し押さえられてしまうので、自分の持っているすべてを失う代わりにここから再スタートする。それが自己破産です。そうでなくても5年間はキャッシングできなくなるものなど、その返済完結に近づく代償は軽いものではありません。
ですが長期間返済に悩むくらいなら早い段階で手を打って、これからはキャッシングで得たお金を返済することにおいて悩むことはなくなる未来の方がはるかに幸せであることは言うまでもありません。今するべきことをしましょう。
要注意!債務整理をしてから5年はキャッシングNG
債務整理を行うと5年ほどキャッシングを利用することができなくなります。なぜなら、債務整理を行ったことが信用情報機関に記録されるからです。キャッシングだけでなく、あらゆるローンの審査に通ることが難しくなります。
また、実施する法的手続きによって、信用情報機関に保管される機関が最大10年まで伸びます。結論から言うと、返済義務をなくす自己破産をしてしまうと向こう10年は影響します。
金利を下げてもらう任意整理や、利息をカットしてもらう民事再生までならば、5年程度で保管された情報が解消されることもあります。もっとも、債務整理をした後に再度キャッシングに頼ろうと考えることがないようにすることが一番です。
返済期間が長い場合は過払い金があるかも?
現在の借入残高を10年以上前から返済している方は、過払い金がある可能性が高いです。過払い金とは、法改正前の金利と改正後の金利の差によって生じる利息の差額です。
銀行や消費者金融の金利が現在の年率へと移行したのは、実のところ6~10年前の間です。そのため、契約した当初よりも金利が下がっていた場合は、それを「過払い金請求」することでお金がだいぶ戻ってきます。
以前は大手消費者金融だった「武富士」は、利用者からの過払い金請求が多すぎて倒産したくらいです。個人差もありますが、借入残高が多い方は約100万円の過払い金が戻ってくることもあります。
返済期間が長い場合は過払い金があるかも?
現在の借入残高を10年以上前から返済している方は、過払い金がある可能性が高いです。過払い金とは、法改正前の金利と改正後の金利の差によって生じる利息の差額です。
銀行や消費者金融の金利が現在の年率へと移行したのは、実のところ6~10年前の間です。そのため、契約した当初よりも金利が下がっていた場合は、それを「過払い金請求」することでお金がだいぶ戻ってきます。
以前は大手消費者金融だった「武富士」は、利用者からの過払い金請求が多すぎて倒産したくらいです。個人差もありますが、借入残高が多い方は約100万円の過払い金が戻ってくることもあります。
キャッシングは利息を意識して返済方式を変えるだけで数万円もお得に!
ここまで、キャッシング返済・利息の仕組みと賢く返済をするポイントを紹介しましたが、何よりも大切なのが、低利息の返済方式を選ぶことです。スライドリボ方式から繰り上げ返済方式に変えるだけで、数万円の利息を節約することができます。
キャッシングをお得に借りたい方は、何よりも返済方式と利息にこだわって契約をしましょう。
ただ、根本的な話にはなりますが、キャッシングでは「必要最低額しか借りない」というのが最も重要です。まずは返済シミュレーションをしてみた上で、安全に返済できそうか、そもそもキャッシングは必要かということをしっかり考えていきましょう。