キャッシングに関する知識が多少ある人なら、ブラックリストを聞いたことがあるのではないでしょうか。
しかし実は、ブラックリストというもの自体は存在しません。ただ、そのようなキャッシングできないという状態は確かにあります。それは、過去のキャッシングでの返済トラブルなどにより信用情報に傷がついた状態です。
この状態は信用情報機関に残った信用情報を見られることですぐに見抜かれてしまい、申し込んだ審査で落とされてしまうことになってしまいます。ブラックリストに載るという状態になってしまうと、お金を借りることがかなり難しくなるのがわかってもらえたでしょうか。
キャッシングの審査について詳しく知りたい方はこちら(キャッシングの審査について)
※ブラックリストというものはキャッシングにはありませんが、この記事では信用情報にキズがつき、審査が不利になるような状態に、一般的な「ブラックリストに載る」という表現と使っています。
ブラックリストに載ってしまう代表的な事例を紹介
まずは、具体的にどのようなことをするとブラックリストに載ってしまうのかを紹介します。総じて言えば、どんな形であれ”借りたお金を返さない”とブラックリスト入りしてしまうようです。
キャッシングの返済を期限内にしない
当然ですが、キャッシングで借りたお金を期日までに返さなければ、ブラックリスト入りしてしまいます。
期限を過ぎても返済されていない場合、信用情報には「延滞」記録が残ります。業者によっては短期(1週間)の延滞にも厳しく対処するところがありますが、2ヶ月以上延滞してしまうと、どのキャッシング会社でもアウトです。
延滞しそうな場合はまず借入れ元の業者に連絡し、事情を話して返済期間の延長などの対処をしてもらうことが大切です。
自己破産はブラックリスト入り間違いなし
自己破産や債務整理をした場合は、間違いなく経済力に問題があると見なされ、ブラックリスト入りします。
これは当然といえば当然ですし、そもそも自己破産するほどお金に困っていれば、カードの支払い滞納などの問題も起こっているはずです。
多重申込は約半年間のブラックリスト入り
複数社にキャッシング審査を同時申込みをする行為も、半年間のブラックリスト入りの対象となります。
お金に困っているのだから多く申込みをするのは何も間違っていないように感じますが、キャッシング会社に「よくキャッシング会社を精査したりせず、軽い気持ちで申込みをしてきた人」と見なされてしまい、貸し渋られてしまいます。
何社同時に申し込めばブラックリスト入りするかの基準はそれぞれ違いますが、5社以上同時に申し込んでしまうと、ほとんどの会社の審査には通らなくなります。
クレジットカード現金化をおこなう
クレジットカード現金化とは、例えば商品をカード払いで購入し、それを少し安値で買い取ってもらうことで、合法にショッピング枠を現金化する方法です。
クレジットカードは月末締めの一括払いにしていることが多いので、それまでに取り急ぎ現金を作る方法ということですね。
これは利用規約違反なので、バレたら強制解約されてしまい、信用情報にキズがつきます。
もちろん、キャッシングの審査でも、以前クレジットカードを解約になったという情報は不利に働き、ほとんど通過できなくなります。
キャッシング以外のサービス利用でも延滞があればブラックリスト入り
後述しますが、信用情報はキャッシング利用の状況のみが記載されているだけでなく、お金の支払いにまつわるあらゆる情報が記載されています。
例えば、携帯料金の支払いや奨学金の支払い滞納なども、信用情報にしっかり記載され、キャッシング審査に悪影響を及ぼします。
特に管理者側から催促状のようなものが届いた場合、会社は間違いなく延滞を認知しているということですから、100%ブラックリスト入りしていると考えられます。
公共料金の支払いは延滞してもブラックリスト入りしない?
電気代やガス代、NHKの受信料は基本的に延滞をしてもブラックリスト入りしません。単純に公共料金の支払いを管理しているのは個人信用情報機関ではないからです。
ただ、公共料金の支払いをカードでの引き落としに設定していれば、公共料金の滞納=クレジットカード払いの滞納となり、延滞もブラックリストの対象になります。
最近では「公共料金をカード払いにしてコツコツポイントを貯めよう!」という宣伝文句が多く出回っていますが、この設定には上記のようなリスクがあることを知っておきましょう。
手違いでブラックリスト入りしていることも
キャッシングは非常に多くの方が利用しているので、名前や誕生日が同じ方の情報と混同されることも稀にあります。
何の心当たりもないのにブラックリスト入りしているという場合は、もしかしたら違う方と勘違いされているかもしれません。注意しましょう。
疑わしい場合は、後述するCIC、JICCなどの機関で確認してみることをおすすめします!
今さら聞けない「信用情報」と「事故情報」について
ここからは、そもそもブラックリスト入りしているということは、どんな状況を指すのかを説明していきます。
簡単に言えば、信用情報に事故情報が残ってしまっているケースが、ブラックリスト入りに当たります。
それでは、信用情報と事故情報について、より詳しく見ていきましょう。
信用情報とは
信用情報機関に保管されている個人の金融機関との取引記録の総称です。これらの情報はすべての金融機関が閲覧可能であり、クレジットカードや各種ローンの審査をする際に確認されています。
記録される情報は、大きく分けて3つあります。いずれの情報も一定の期間は保管されており、期間を過ぎると自動的に消される仕組みです。(引用:『CICが保有する信用情報』)
①申込に関する情報
- 本人情報
- 申込内容
いつ、どこで、どの会社に、どのような内容のローンに申し込んだのか等の情報が中心です。申し込んだ日から「6か月間」保管されます。
②クレジットに関する情報
- 本人情報
- 契約内容
- 支払状況
おおまかにこの3つがあります。「本人情報」は氏名や生年月日等の基本データに加え、勤務先の情報も記録されます。
「支払状況」は、最も重要な情報と言っても過言ではありません。契約している間の借入や返済の詳細が、その都度記録されています。
ローンの契約期間中と、「契約終了後から最長5年」も保管されます。
③利用記録に関する情報
- 本人情報
- 利用情報
利用している途中の状況を記録しています。利用日から「6か月間」保管されます。
事故情報とは
信用情報の中でも審査に悪影響を及ぼす情報の総称であり、皆さんがいわゆる「ブラックリスト」と呼んでいるものの正体がこれです。
「やっぱりブラックリストはあるじゃないか!」と思った方もいるかもしれませんが、ブラックリストというものがあるわけではありません。正確には、一部の記録が保管されている間は審査に悪影響を及ぼすと捉えてください。
信用情報を取り扱う3つの機関
審査では合否に関わるくらい重要な信用情報ですが、実は個人でも「情報開示」をすることができます。そう、誰でも閲覧することができるのです。
ただし信用情報機関は加盟する金融機関やローンの種類によって3つに分かれています。情報開示をする際は、問い合わせ先を間違えないように気をつけましょう。アルファベットの方で判別すると良いです。
割賦販売法・貸金業法指定信用情報機関(CIC)
「割賦」という文字通り、ローンやリボ払いを取り扱う金融機関が多く加盟しています。クレジットカードを扱う信販会社や、カードローンを扱う一部の銀行や消費者金融です。
日本信用情報機構(JICC)
国内で唯一全業態を網羅する、最大規模の信用情報機関です。消費者金融のほとんどはここに加盟しています。
全国銀行個人信用情報センター(JBA)
銀行業の発展のためにさまざまな活動を行っている信用情報機関です。国内にある銀行のほとんどは、ここに加盟しています。
個人での情報開示について
下記3つの手段で情報開示の手続きが可能です。
重要な個人情報となるため、キャッシングと同様、手続きには免許証などの「本人確認書類」と「手数料(500円または1,000円)」が必要となります。支払は基本的にクレジットカード決済ですが、JICCはコンビニ決済など他の支払方法も選べます。
気をつけてほしいのは、キャッシング等を利用していた当時の電話番号や住所が必要になることです。もし携帯を変えたり引越をしたりしている場合は、必要な時に当時の情報をいつでも出せるよう気をつけましょう。
ちなみに、全国銀行個人信用情報センター(JBA)は、郵送限定となっています。ホームページでも詳しい手続方法をご確認いただけます。
インターネット
- CIC:〇
- JICC:×
- JBA:×
パソコンやスマートフォンから信用情報を開示することができます。
CIC限定で、電話で問い合わせをした後に、パソコンまたはスマートフォンで「開示報告書」を受け取ることができます。手数料の支払いはクレジットカード決済のみです。
JICCは、スマートフォンで指定サイトのQRコードを読み込んで、郵送の申込が可能です。
郵送
- CIC:〇
- JICC:〇
- JBA:〇
すべての信用情報機関で可能です。各機関のホームページから申込書をダウンロードして印刷後に記入、そして本人確認書類のコピーを同封して申請します。
支払方法はクレジットカード決済、または申込書に、1,000円分の定額小為替証書を同封して送付することもできます。
到着まではいずれも、1週間から10日程度と少し時間がかかります。
窓口
- CIC:〇
- JICC:〇
- JBA:×
信用情報機関の窓口へ直接足を運んで、情報開示の申請をすることもできます。CICもJICCも、窓口の場合は手数料が500円で済みます。
ただしどちらも、平日の10時から16時までしか受け付けていません。そのため、フルタイム勤務の方は現実的に難しい方法です。
返済が遅れたり債務整理の記録が残ると悪影響がある
返済期間を守らなかった場合。または任意整理や個人再生または過払い金請求を行うと、その情報が信用情報に残るので、審査で不利です。
プロミスなど知名度の高い大手消費者金融または銀行の審査ではほとんどキャッシングが不可能でしょう。もし大手からのキャッシングを希望しているのなら、返済遅延の情報が消える一年ほどの期間を待つことが必要になります。
債務整理を行った場合も、もう少しその期間が伸びてしまいます。債務整理を行うと返済の負担が軽くなるのですが、その後しばらくキャッシングでお金を手に入れることができなくなるというデメリットがあることを理解しておきましょう。
ですが反対に言えば、そのキャッシングが封じられた状態に自分の経済状況を見なおして、もう再びお金の借入に頼らなくて良い生活を手に入れることができれば、お金の問題で頭を悩ませることもなくなるのではないでしょうか。
ブラックリストに載っていてもキャッシングできる業者がある
しかしながら、信用情報に傷がついてしまっている状態でもお金を貸してくれる消費者金融があります。「アコム」や「プロミス」といった大手消費者金融ではなく、「フタバ」や「フクホー」等の中小消費者金融なら、もっと柔軟な審査対応を行ってくれます。そのため傷の深さ次第では、審査に通る確率をもっと上げることができます。
ですが大手消費者金融は提携ATMが多い、またはネット対応が強いなどの高い利便性が自慢なものの、中小消費者金融はそういった使いやすさで弱いという弱みがあります。また金利が高く、ほとんどの業者で無利息サービスが利用できないことが多いので、返済で苦労することが多くなるかもしれません。
どうしてもお金を借りる必要があるのなら、こうした少し規模の小さい経営を行う消費者金融からお金を借入れることにしましょう。独自の審査基準によりお金を借入れることができる確率は十分に考えられます。
こうした、おすすめの中小消費者金融についてはこちらにまとめてあるので、ぜひご覧ください!
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